北朝鮮の国家安全保衛部(保衛部)が今月5日、外国人情報要員と、スパイ活動を助けた北朝鮮の住民を逮捕した事実を対外的に公開した。異例のことであるため、保衛部の活動に対する関心が高まっている。
韓国の国情院に該当する保衛部はこの日の発表で、逮捕した外国人情報要員と北朝鮮の住民は、重要軍事施設に対する情報を収集して外部に流出させ、写真撮影をしてGPSを利用するなどの諜報活動をしたと明らかにした。
保衛部は彼らが使った装置を含めて、逮捕した北朝鮮の住民の‘誓約書’と、犯行場面が撮影された動画を公開するなど、この間見せることがなかった場面を公開した。
保衛部内でスパイ逮捕を担当する部署は、対内反探局だ。反探局は対スパイ業務と海外情報の収集、海外工作の任務を遂行する。今回の事件でも、保衛部の反探局が数ヶ月前からスパイ容疑者らを見張って逮捕したと思われる。
今回、貿易業者に装って活動した外国の情報要員は、反探局の監視対象1号だ。反探局は国境警備及び出入国管理業務も行っており、中国に頻繁に往き来する北朝鮮の住民だけでなく、外国人全てをリストにあげて動向を見張る。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面特に, 反探局は外国人の貿易業者たちに対しては何の動きがないとしても、可能性を考慮して、持続的に見張るという。
反探局がスパイなどを探し出す時、緻密な計画と手続きを経て、わずかな手違いもなしに逮捕する。普通、該当機関の各部署に2人の情報員を送って見張る。スパイらしい人物がみつかれば、彼と最も親しい仲間数人について見張らせ、物証が確保されれば逮捕する。
1人の要員が従えている情報員は15~30人程度だという。保衛部の要員は情報員たちをばらばらに管理するため、情報員同士互いに知らず、相互に監視対象になったりもする。保衛部はこうした方法で、住民たちの動向を把握して、保衛部に召還された人々は、一足遅れて自分たちの言行が一つ一つ報告されていたことを知る。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面反体制事件を担当する反探局と捜査局は北朝鮮国内の外国人だけではなく、北朝鮮社会全般に浸透して、反体制活動及びスパイの活動を把握して逮捕する。捜査局と反探局は北朝鮮の体制維持と直結しているため、強い力と捜査力を持っている。
彼らは党・政・軍だけでなく、大学・企業所・工場など、あらゆる場所に要員を配置し、反体制的な人物やスパイを探し出す。保衛部出身のある脱北者は”2000年代の初めに、ここに勤める要員の数が4万人以上に達して、咸北清津市の金策製鉄連合所などの場合、派遣された保衛部要員は40人以上に達する”と明らかにした。
更に、2000年以後、北朝鮮内部に中国から出版物や映像などの外部情報が大量に流入して、中国との往来や貿易が増加し、保衛部の反探局の要員たちの数が増加したはずだと、脱北者たちは見ている。反探局は瀋陽と延吉、北京などをはじめとし、香港やマカオ等に海外反探局を設置しているという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面保衛部出身のある脱北者はデイリーNKとの通話で、“中国など第3国を行き来する北朝鮮の住民だけでなく、外国人は無条件監視対象になる”と述べ、“少しでも問題になる点が発見されれば、何年にもわたって監視され、周辺の人たちとの接触など、一挙手一投足が見張られる”と明らかにした。
この脱北者は“監視を受けた人が安堵感を感じるほど、彼らの活動は秘密裏に行われて緻密だ”と付け加えた。
彼はまた、“反探局は窮極的に背後で操る責任者を捕まえるために、抱き込まれた人たちの諜報活動が捉えられても逮捕しない”と述べ、“ 背後で操る責任者と接触する瞬間を襲ったり、抱き込まれた人を秘密裏に逮捕し、逆利用して責任者を捕まえる”と説明した。