アメリカのブッシュ大統領がアジア太平洋の国々に、北朝鮮の民主化と北朝鮮の住民の自由のために努力することを促した。

ブッシュ大統領はオーストラリアのシドニーで開かれているAPEC世界首脳会議の演説の原稿で、“全世界で最も躍動的なこの地域で、自由が広がり続けるようにしなければならない”と述べ、“北朝鮮の住民が周辺の民主国家の国民と共に、自由を享受する日のために努力しなければならない”と訴えた。

ブッシュ大統領がアジア太平洋の国々に投げかけたメッセージを一言で整理したら、北朝鮮の民主化は、北朝鮮の住民だけの問題ではなく、アジア地域の国々が共に解決しなければならない共同課題ということだ。

第2次世界大戦直後、アジアの国々が前近代の文化と貧困から脱すると信じる欧米の人は多くなかった。だが、日本や韓国、台湾、シンガポールを含めたアジア諸国は、民主主義と自由を敢然と受け入れ、それを原動力にして奇蹟のような繁栄と発展を成した。

時間が経ち、東南アジアの国々が後に続いた。中国とベトナムなどの社会主義圏の国々まで、民主主義と経済のための歴史的行進に加わってきた。その結果、東アジアは21世紀の世界の政治経済の中心地域として発展している。アジア諸国は自由と民主主義が人類の幸福と歴史の進歩のための核心価値であると同時に、手段であることを実践で証明してきたのだ。

しかし、アジア地域にはまだ、世界の民主化と人類の共同体という歴史的な行進に参加することができない国もある。最も代表的な国が北朝鮮だ。想像を絶するほど、残忍で恐ろしい金正日政権の弾圧のため、北朝鮮の住民は民主主義と自由のための闘いの権利さえ剥奪されている。北朝鮮の民主化には、国際社会の助けが必ず必要だ。北朝鮮の住民にとって、最大の力になることができるのは、韓国を含めたアジアの国々だ。

アジアの国々が連帯して、北朝鮮の民主化を助けることは、単純に北朝鮮の住民のためだけではない。今は世界が一つに統合されている世界化の時代だ。地球上のすべての人類が人間に対する尊厳と民主主義という普遍的な価値を共有して、互いに協力して果てしなく発展して行く新しい時代だ。

だが、世界化の時代、または人類共同体の時代を実現するためには、越えなければならない壁がある。独裁と貧困の国に住んでいる人々を救援することだ。世界の約半分の地域の人々が、暴力と貧困で苦しんでいる状況で、世界化と人類共同体を実現することは不可能だからだ。

したがって、貧困と独裁に苦しむ国に、経済的豊かさと民主主義をもたらすことは、人類に与えられた共同課題でもある。北朝鮮の民主化のためのアジア諸国の努力は、小さくは北朝鮮の民主化を早める大事な種であり、大きくは世界の民主化と人類共同体を実現する偉大な行進だ。歴史的な北朝鮮の民主化闘争に、民主主義の発展の奇蹟を体験したアジア地域の国々が積極的に参加することを訴える。