「今これ以上重要な事がどこにありますか?この職務は長官、国会議員よりも尊く重要です」
9月26日にスタートした北朝鮮離脱住民支援財団(以下支援財団)の初代理事長に選出されたキム・イルジュ(78)氏は「韓国社会に入国した脱北者が苦労をせずに定着する事が、統一の近道になる。(理事長職に)重い責任感を感じる」と話した。
韓国に入国した脱北者が2万人を越えた15日、ソウル麻浦区に位置した支援財団事務室でキム理事長に会った。3月26日に国会で「北朝鮮離脱住民の保護および定着支援に関する法律」が改正され、脱北者の支援を総括する支援財団の初代理事長に注目が集められていた。
特に、北朝鮮離脱住民後援会(2010年基準、65億5千万ウォン)よりも4倍の予算(2011年基準、248億ウォン)に拡大した為、団体運営に対する関心も大きかった。
同理事長は失郷民(北朝鮮地域を故郷とする人々)として普段から脱北者に関心を持ち親しく過ごしてきた。咸鏡南道端川出身の同理事長は「私も(北を離れて)60年がたった脱北者だ。全ての脱北者は血を分けた兄弟姉妹」と述べ、格別な愛情を表した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面2万人時代に対し「人間は生きている限り自由を渇望する存在で、脱北の決定は人間らしい人生を追求する行為、韓国行は人が生きる社会に行くための選択」とし、脱北を経済的な理由にだけ限定しその意味を低く評価してはならないと話した。
また、対北短波ラジオ放送を聞いて脱北を決心する比重が増えているとも伝えた。
また「北朝鮮にお金を送った経験があり、継続して送っている脱北者が60%を越えると聞いている、北朝鮮は韓国社会が板張りの粗末な家しか無く、路地裏は人糞で歩くことも出来ないと宣伝しているが、脱北者の韓国での体験が北朝鮮社会を揺さぶっている」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「故郷の両親に頻繁に電話をかけ、こっちで大学に通っている、お湯、冷たい水が溢れる場所で生きている、道党書記も羨ましくないとの話が北朝鮮社会に流入し、北朝鮮住民も韓国社会の実状をよく知っている」と付け加えた。
今後の支援財団の活動に対して「これまでの後援会が予算のために消極的な支援しか出来なかったとすれば、今後は積極的で効率的な支援をしていくだろう」と明らかにした。
一年に900〜1000人の脱北者の医療費支援が行われているが、本人負担金の1/3程度で行われており、財団が支援をより拡大する必要性があると話した。「生きる為にやって来たが、健康上の理由で亡くなる脱北者が稀にいる」と惜しんだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、大学の学費免除制度が35歳までの年齢制限があり、第三国滞留期間を長くなり35歳をオーバーした脱北者が支援を受けることができないケースがあるとし、これに対する現実的な支援が必要だという点も強調した。
その他にも、就職支援の必要性を言及し「自立というのは生易しい問題でない。韓国社会での定着の為には、何よりも衣食住の問題を自ら解決することができるように助けなければならない」と話した。