北朝鮮の労働党機関紙である労働新聞が社説にあたる「正論」で「金日成の血統」と「引きつがれる先軍」を強調しはじめた。その中で「金正日の強盛大国」という言葉まで登場し、「金正恩指導」の事実上の始まりだと分析されている。
この日の労働新聞は「朝鮮を知りたいなら、しっかり見ろ」というタイトルの正論のなかで、労働党創立65周年記念式典で米CNN放送などをはじめ海外メディアを招いたことに触れ「地球の真ん中に永遠不敗の社会主義勢力、主体強盛大国の成功の塔で、一日一日と力強く湧き上がるその威容に世界も驚いている」と強調した。
続けて「世界の目と耳という米国CNN放送もケソン青年公園(平壌市牡丹峰区域にある遊園地)のきらびやかな夜の明かりの中で、楽しく回る最新の遊園地アトラクションに身体を揺らせて嬌声をあげ、現代文明を楽しむ平壌市民たちの姿を現地から報道した」と述べ、金正恩が主導したことと言われている「祝砲の夕べ」をひたすら褒め称えた。
また「CNC(コンピュータ数値制御)の近代的な工場や企業所を訪れると朝鮮の人々がどのように先端を突き進んでいるのかを見ることができる。我々の自衛的核抑止力と無慈悲な打撃力は飛躍的に増大するだろう」主張している。北朝鮮は、CNCなどの先端技術の発展を金正恩の業績としている。
労働新聞は「正論」の末尾で「世界よ、その日が来るのを見よ!金正日強盛大国!」と表現した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「金日成強盛大国」という文字が金日成の死亡後に出てきたことから「金正日強盛大国」というスローガンは、本格的な「金正恩時代の幕開け」だという見方もある。
北で高位当局者だった脱北者は「労働新聞の『正論』で騒ぐほど、金正恩の指導が開始されたと見られる。『金日成強盛大国』という言葉が消え『金正日の強盛大国』というスローガンを叫ぶのは金正日が象徴的な人物となっている」と説明した。