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北朝鮮が8日と9日に公式メディアである「朝鮮中央TV」を通じて後継者「金正恩」の煕川発電所の建設現場の視察の様子や芸術家、個々の家庭訪問の様子、趙明?iチョ・ミョンロク)弔問の様子などを相次いで放送し、金正恩体制へ向けた権力移行を早めている。

最近の北朝鮮公式メディアが伝える金正日の公式活動を観察してみると、金正恩を既に後継者というよりは金正日と対等の「権力の執行者」として登場させていることがわかる。

事実、北朝鮮が憲法よりも優位な「党の唯一思想体系確立の10の原則」を通じて「金日成、金正日」を除いた、どの誰に対しても「偶像化」を許さなかったことを鑑みると、事実上、金正恩の「指導が始まった」という分析が可能である。

9日の朝鮮中央TVで放映された金正恩が趙明?iチョ・ミョンロク)を弔問した映像は、金正恩が遺族を慰めている姿に焦点が当てられている。後継者という立場を越えた「人民の指導者」というイメージをアピールするためと解釈される。

画面上で、金正恩が不思議がる表情を見せると李英鎬(イ・ヨンホ)人民軍総参謀長が手で口を覆いながら解説する場面は、「金日成、金正日」以外には見られない破格の態度だ。年長の脱北者は「金日成、金正日」の記録映画を見ているようだと述べた。

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「唯一思想の10の原則」第6条4項には「個々人の幹部達に対して幻想を持ったり、お世辞などで個別の幹部らを偶像化したり、無原則に振舞う事に対して徹底的に反対するべきであり、幹部たちが贈り物をやり取りする行為を無くすべきである」と明示されている。

したがって「金日成、金正日」を除く「軍」「党」「政」の幹部達は全て「個々の幹部たち」に含まれる。そのために、彼らが個人的に「回顧録」や「映像」「写真資料」などを配布したり編集したり、贈り物を与える深刻な「政治的犯罪」として対処される。

事実、1960年代当時の中央委組織部委員長だったパク・クムチョルが粛正された理由の一つが、彼が自分を偶像化する映画を作ったことが金日成に報告されたことが挙げられる。

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また、9条5項には「個別の幹部たちが下の単位の党や政権機関、労働団体の組織的な会議を自発的に収集する。または会議で自発的に結論を出し、組織的な承認なしにスローガンを勝手に拒否する、または作ったり掲げたりするなどの行為をして社会的運動のための組織を作り出すなど、非組織的な現象を一切、可能にしてはならない」と規定している。

女性同盟委員長としての権力を振るった金日成の後妻である金成愛(キム・ソンG)も自らの発言を「教示」として下の単位に送られてしまった事が、裏目になって粛清されたのは、脱北者たちの証言からもわかる。

北朝鮮は今も「軍」「党」「政」の幹部を対象にした「唯一思想10大原則」の教養事業でパク・クムチョル、金成愛の「非社会主義的行動」を事例に説明している。

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これによると、最近、北朝鮮の公式メディアによって公開された金正恩の姿は、事実上の「最高権力者」としての礼遇を受けているようだ。 年長の脱北者は「1980年代中頃、金日成が幹部たちに「金正日同志を私と同じように接しなさい」と指示したのとの違いがほとんどない」と指摘する。

上から下へのトップダウンの後継作業と同時に、金正恩への権力移行は急速に展開されていると見るべきだ。