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北朝鮮へのコメ支援を行おうとの声が高まっている。北朝鮮の飢えた住民に米を与える事さえ出来れば、どれほど良い事だろうか。しかし、現実はそうはいかない。コメ支援問題の解決に向け少なくとも3つのレンズを通じて北朝鮮を覗かなければならない。

最初のレンズはコメ支援与が北朝鮮住民の手に渡るのかという問題。脱北者は皆首を横に振っている。さらに。住民らは韓国からのコメ支援を歓迎しないという話もある。幹部らだけが腹を満たし、一般国民には分け与えられないという。また、韓国からの支援物資が配給される際には、「将軍様の先軍政治に恐れを感じた南朝鮮が、米と肥料を送ってきた」と宣伝材料に使われたと証言している。

北朝鮮が韓国の支援を政権の宣伝材料に転落させるのは仕方が無いとしても、米が実際に住民の手に渡るようにするべきではないのか。これを見かねた国際社会は、北朝鮮に対し配給の監視を要請した。しかし、北朝鮮はこれを拒否している。

2つ目のレンズはより根本的な問題だ。北朝鮮住民が飢餓から抜け出せない諸悪の根源がどこにあるかという事で、ある研究によれば、1980年代初め集団農場を解体し家族農に転換した中国では、農業生産量が年平均で7%も増加したという。北朝鮮で必要とする穀物量は600万トン程度だが、最大200万トン程が不足しているという。もし北が中国方式に転換するなら、6年でこの問題を解決できるの。しかし、北はこの様なアクションを起こしていない。

北朝鮮が最も深刻な食糧難を経験した1990年代中盤、中国が北朝鮮へのコメ支援を躊躇した背景には、北朝鮮が中国の変化を見習うように誘導する為だったとの説もある。しかし、韓国の金大中政権が米を与え、水の泡となったといわれている。

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3つ目のレンズは北朝鮮政権の二重的で非理性的な行動。住民が飢えようとも核実験やミサイル発射を行ない天文学的な費用を浪費している。この費用を慢性的な飢餓に苦しむ住民のために使わない政権をどの様に理解しろというのだろうか。

至る結論はこれらの問題の根源は北朝鮮政権にあるということだ。北朝鮮政権が変わらなければ無用の長物である。住民の手に渡らない支援を送り政権を潤すだけの行為なら、支援を行う人々の志に反する事であり、慎重に行なうべきだ。

北朝鮮政権に透明な支援を行わせる方法を考え出さなければならない。住民を飢死にさせ天文学的費用を費やし核実験、ミサイル発射実験を行った事実を批判しなければならない。そして北の農業政策の転換を引き起こさなければならない。

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支援の賛否を問う二分法論争よりも、どの様にすれば北の変化をもたらす支援が出来るかを考えるべきだ。