北朝鮮の食糧事情を巡っては不足ぎみとする見方と、概ね足りているとする見方がある。国連の食糧農業機関(FAO)は、2017年の北朝鮮のコメ収穫量は140万トンで、前年の170万トンより減ったとし、食糧不足国家に指定した。しかしデイリーNK内部情報筋によると、食糧が不足しているなら上がるはずの食糧価格は、昨年12月以降はむしろ下落している。
北朝鮮では貧富の格差が猛烈なスピードで拡大しており、少しばかり食糧価格が下落しても、国民の多くを占める貧困層には助けにならない。
(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち)それでも、1990年代の大飢饉のような混乱につながりそうにない現状は、幸いと言える。
(参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶)それにしても何故、食糧価格が下がっているのだろうか。