国際社会の相次ぐ制裁で苦境に陥っている北朝鮮にとって、自国労働者の海外派遣事業は、外貨稼ぎの貴重な柱だ。国連の北朝鮮人権報告書によると、20カ国以上に派遣された10万人を超える労働者が稼ぎ出す外貨は、年間23億ドル(約2540億3000万円)に達する。
ところが、労働者の派遣を海外企業から要請されても、実際に派遣されるまでには少なくとも半年を要する。審査には複数の機関が関わっていて、円滑に処理が行われないためだ。
北朝鮮情報筋が、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、労働者の海外派遣は次のような流れとなっている。