北朝鮮北部山間部の両江道(リャンガンド)。荒涼とした気候のため、稲作はできないが、ジャガイモ栽培が非常に盛んだ。90年代末の大飢饉「苦難の行軍」の頃に、故金正日総書記が「ジャガイモ革命」を提唱し、山を切り開いて協同農場を作り、ジャガイモ栽培に力を注がせたからだ。

金正日氏の読みは大当たりし、両江道はジャガイモの大生産地となった。しかし、あまりにも成功しすぎたことから、面倒な事態になっていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、今年の地域のジャガイモ収穫高は、去年の2倍以上を記録している。

大紅湍(テホンダン)郡と白岩(ペガム)郡にまたがる10月8日協同農場、三池淵(サムジヨン)郡のポテ協同農場では、1ヘクタールあたり50トンのジャガイモが収穫された。また、普天(ポチョン)郡、雲興(ウヌン)郡、三水(サムス)郡の各農場でも、1ヘクタールあたり30トンの収穫があった。

食糧難の北朝鮮で、ジャガイモの豊作は喜ばしいことだ。しかし、問題は保存方法。これがネックとなり処分せざるをえないという。

北朝鮮では、必ずしも冷蔵倉庫が完備されているわけではない。そのため、腐らないように保管するのは面倒な作業だ。こうしたことから、余ったジャガイモは片栗粉にされている。

また、戦時用物資として備蓄し、残りを地域の食堂に供給した。それでも処分に困るほど、今年はジャガイモが豊作で、住民にも配給されている。

当局は、地域の住民全員に5ヶ月分のジャガイモを配給した。さらに、機関や企業所に対して3ヶ月分の「片栗粉」を配給した。片栗粉は、後に住民に配給される予定だ。また、各協同農場にも「ジャガイモを片栗粉にせよ」との指示が下された。

片栗粉1キロを作るのに必要なジャガイモは10キロ。市場ではコメより5割高値で売れるため、かなりの儲けになる。

一方、ジャガイモや片栗粉が大量供給されたために市場では値崩れを起こし、大量のジャガイモと片栗粉を受け取った住民も「ジャガイモを見るだけで蕁麻疹が出そうだ」と嘆く事態となっている。