北朝鮮労働者国外退去の件を伝えるネパールのアンナプルナ・ポスト紙
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労働ビザなしで就労、指摘後手続きするがビザ出ずに追放

ネパールから北朝鮮の労働者54人が国外退去になったとアメリカの北朝鮮専門ニュースサイトのNKニュースが伝えた。労働者は観光ビザで入国し建設現場で働いていたという。

労働者たちは、北朝鮮の「南南協調総会社」が受注した水力発電所の水路の建設現場で発破作業に従事していた。しかし、労働許可証を持っていないことが判明して国外退去となった。

ネパール外務省のスポークスマンは、同国の内務省移民局の案件だが、移民局でもコメントできないと語った。

ネパールの「アンナプルナ・ポスト」紙によると、ネパールの情報機関が中国国境に近いシンドゥパルチョウク地区で北朝鮮労働者たちが違法に働いていたことを発見したと伝えた。

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彼らは、軍隊で爆発物を扱っていた経験を買われて雇われていたという。労働環境は劣悪で安全設備も整っていなかった。現場では昨年、土砂崩れで150人が死亡する事故が起きている。

この件が報道されたことをきっかけに、ネパール当局は刑事捜査を開始。関係した北朝鮮企業は、労働者たちを首都カトマンズに撤収させてビザの手続きを行ったが取得に失敗したことから今回の国外退去となった。

北朝鮮出身の違法労働者は稀だが、政府のピンはねは基本

現在、アジア、中東、ロシアで働く北朝鮮出身の労働者は約6万人。正式な手続きなしに不法滞在、労働をするケースは脱北者を除けば非常に珍しい。しかし、給料は雇用主から直接受け取らずピンはねされて北朝鮮政府から受け取る形になっている。

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しかし、EUなどでは労働者に直接賃金を支払わないのは違法になる。過去には、EU加盟国のマルタで社会問題になったことがある。

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