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北朝鮮は24日、咸鏡北道(ハムギョンブクト)吉州(キルチュ)郡の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場を爆破した。北朝鮮政府のある幹部はこの実験場について、「すでに廃棄されていたもの」だと指摘。爆破については「金正恩時代の核戦略システムの完成を宣言するイベントでしかない」と述べた。(丹東=カン・ナレ記者)

司令部に小型原子炉

これは中国から連絡が取れた北朝鮮の幹部が20日、語ったものだ。

この幹部は「金正恩党委員長は豊渓里の核実験場の廃棄を宣言したが、その際に『朝鮮民主主義人民共和国の核実験場』ではなく『北部核実験場』と述べたことについて世界は注目すべき」だと主張した。

この幹部によれば、北朝鮮は当初、豊渓里の核実験場について「北部核実験場」ではなく、「東海(東海岸)地区の核実験場」という名称を使う方針だったが、「北部核実験場」に変えることで、南部のどこかに別の核実験場が存在することを示唆したのだという。

では、「南部核実験場」は実在するのか。それと目されているのは、江原道(カンウォンド)板橋(パンギョ)郡の梨上里(リサンリ)から、隣接する黄海北道(ファンヘブクト)谷山(コクサン)郡の新谷(シンゴク)貯水池(1965年完成)を結ぶ水路だ。

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この地域の水路としては、臨津江(リムジンガン)の支流の水を周囲の420万平米の農地に供給するとして2005年3月に着工、2009年9月に竣工したと発表された「ミルボル水路」がある。この幹部は「2013年から朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の部隊が動員されて滅悪(ミョラク)山脈を貫いて建設した」と述べている。建設時期が異なるため、ミルボルとは別の水路である可能性がある。軍事境界線からは、直線距離で50〜60キロのところにある。

幹部は「梨上里周辺に貯水池と水路の建設を始めたころから、軍事用途だという話が多く聞かれた」と述べ、「貯水池の水門を閉じれば、水路から水を抜くことができ、小型化された核兵器の実験ができる」と説明した。

滅悪山脈は、馬息嶺(マシンリョン)山脈と彦真(オンジン)山脈に囲まれており、海抜1000メートルを超える山がいくつもある。山脈には装甲車や武器を隠蔽するための洞窟が多く存在し、そこも核実験場として使用可能だと付け加えた。

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これと関連し、朝鮮人民軍筋は「2013年5月に非公開で行われた軍需工業大会で軍事近代化5カ年計画が採択された」「今年8月に完了する軍事近代化5カ年計画の最終課題は、三池淵(サムジヨン)戦時司令部に小型原子炉を設置すること」だと述べた。

両江道(リャンガンド)三池淵にある金正恩氏の胞胎(ポテ)別荘は、山脈を貫いて建設した地下司令部とつながっており、そこに小型原子炉を設置すれば、金正恩氏は米国から核攻撃を受けても生き残り、核兵器で反撃する余裕も持てるとのことだ。

(参考記事:「米国はわが国のICBMを見つけられない」北朝鮮高官

またこの幹部は、金正恩氏は自身の誕生日である今年1月8日、国家科学院を現地視察したが、その目的は戦時司令部に設置する小型原子炉だったとし、豊渓里核実験場の爆破行事は、核戦略体系の完成を知らせる金正恩式の宣言式だと強調した。