現状、多くの北朝鮮ウォッチャーは、金正恩党委員長について合理的な思考を持つ人物であると評価しており、筆者もその中のひとりだ。金正恩氏は、北朝鮮という国家を維持するために核兵器を開発している。決してアメリカやその同盟国に戦争を仕掛け、報復により破滅したいと考えているわけではない。
ちなみに、金正恩氏が維持したい国家とは「独裁体制」のことであり、国民の生命や幸福は二の次だ。北朝鮮の独裁者は体制維持のため、これまでもおびただしい数の国民を犠牲にしてきたのだ。
(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」)金正恩氏が合理的な「生き残り戦略」を取っているなら、北朝鮮が核武装するのは危険ではないのかと言えば、それも違う。最大の問題は、金正恩氏の独裁権力があまりに強くなりつつあることだ。