カネで命を買わねば生き残れない…北朝鮮「兵士脱北」の裏に極限状況

新米兵士は、面会にやって来た親からカネをもらう。そのカネで市場で薪を買って部隊に渡す。ちなみに相場は120元(約1970円)。そうすれば1週間の休暇が与えられるという仕組みだ。

兵士にとって、休暇は単なる休みではなく、生きながらえるための貴重な期間だ。衛生環境も食糧事情も悪い軍隊生活を続けていると、体調を悪化させ、最悪の場合は命すら落としかねない。だから実家に帰り、栄養を付けなければならないのだ。言い方を変えれば命をカネで買っているようなものなのだ。

この他にも、軍内では上官による暴力や性的虐待が横行している。

(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

さらには若者の兵役忌避による人員不足などにより、朝鮮人民軍は正規軍として機能するか疑われるほど組織が弱体化している。金正恩党委員長が核兵器開発にのめり込む背景には、もはや軍の立て直しは不可能であるとの判断があるのかもしれない。