安倍政権が対北朝鮮で「新しいことは何もしない」と言える理由

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安倍政権はそんな時間のかかる施策より、米国から最新兵器を買うことを選ぶだろう。人材育成はそれよりはるかに小さな予算でできるはずだが、絶対に国会の議題になることはない。

というわけで、安倍政権には北朝鮮問題に関して特別なアイデアなど何もないのだ。安倍政権にとって北朝鮮問題は基本的に、いずれ米国がどうにかしてくれるものなのである。そのための「お手伝い」を出来る体制をしっかり整えて置こうというのが、対北朝鮮政策のすべてなのだろう。

そしてそれは、安倍政権がこれまでもやってきたことだ。つまり、対北朝鮮政策を主要な争点とした選挙で勝ったからといって、以前と変わる部分は何もないのである。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記