被害はさらに、橋院里(キョウォンリ)、連津(リョンジン)など海辺の村から、富居(プゴ)、方津(パンジン)など山奥の村、さらには50キロ以上離れた茂山(ムサン)郡にまで拡大している。
保安署は普段、窃盗などの犯罪捜査をあまりやろうとしないが、今回ばかりは必死になって捜査をしている。それもそのはず、稷下協同農場はかつて金日成主席や金正日総書記が現地指導に何度も訪れた「教示単位(モデル組織)」だからだ。
また、在北朝鮮中国大使館のウェブサイトによると、2015年5月に、清津駐在の李杰総領事率いる中国領事館の職員や、咸鏡北道華僑連合委員会のメンバーなど50人が訪れ、農作業を手伝うなど、外国人が訪れるところでもある。そんな重要な農場の牛を見つけられなければ、どんな罰を下されるかわからない。