連日の「性上納」強要に「串刺し拷問」…北朝鮮が生んだ「本物のワル」たち

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この幹部はワイロだけでは飽き足らず、覚せい剤の運び屋をしていた20代と30代の女性を逮捕し、2人の罪を見逃す代償として、連日、性上納(性的接待)を強要しているというのだ。実にあくどい手口だが、このような女性に対する露骨な人権侵害は国連の人権理事会でも非難の対象となっている。

(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

また、こうしたあくどい幹部に限って、上役にワイロを渡すなどして買収し、何重にも安全網を張っている。民主主義のまったく存在しない閉鎖された独裁体制のなかで、こうした抜け目のない「本物のワル」が出てくるのは必然なのだろう。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記