一応、筋の通った話ではあるが、1990年代の朝鮮半島核危機を知る者にとっては、いささか滑稽さを感じさせる構図と言わざるを得ない。
当時、北朝鮮は「核兵器を開発する意思も能力もない」と言い張り、それを「嘘だ」と追及したのが米国であり韓国であり日本だった。それが今や、「もう出来た」とする北朝鮮の主張を韓国側が「嘘だ」と否定するという、真逆の構図になってしまったのだ。
今の韓国には、そうせざるを得ない理由がある。文在寅大統領が北朝鮮の「レッドライン(越えてはならない一線)」について、「北がICBM(大陸間弾道ミサイル)を完成させ、これに核弾頭を搭載して兵器とすること」であるとの認識を明らかにしてしまったからだ。