また、当局が厳しくすればするほど、市民は事件の真相について知りたがるようになり、韓国や米国のラジオを聞こうとする欲求が高まり、当局が隠蔽しようとしていることがむしろ広まってしまう結果を生むのが今までのパターンだ。
実際、今年2月に起きた金正男氏殺害事件について当局は情報の拡散を防ごうとしたが、あっという間に広がってしまった。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。