ミサイル暴走の裏に潜む金正恩氏の弱気な一面

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さらに、北朝鮮は26日、日本海に向けて短距離弾道ミサイルと見られる飛翔体を連続して3発発射した。これについて、韓国政府は改良型の300ミリ多連装ロケットであると推定している。

そして29日、日本上空を通過する中距離弾道ミサイルの発射を強行した。この間の動きを見ると、確かに金正恩氏の暴走は加速しているかのようにも見える。ただし、いずれの威嚇も米国との軍事衝突を巧妙に避けている。29日の中距離弾道ミサイルも懸念されていたグアム方向ではなく、太平洋側に向けたものだった。また、米国が最も警戒するICBMではなく、米本土に届かない中距離弾道ミサイルだった。

この裏には、米国を本気にさせない程度に抑える意図が込められているように思える。今回のミサイル発射を受けて、日本の河野太郎外相は「今まで(北朝鮮が)それなりの挑発し、米国がそれに対して対応を取ってきたことを考えれば、北朝鮮がそれに少しひるんだということだろう」と分析した。この見立てはあながち間違ってはいないかもしれない。