間もなくトウモロコシの収穫期を迎える北朝鮮の協同農場や個人耕作地では、農民が昼夜を分かたず警備を行っている。
しかし、焼け石に水だ。武装した兵士の集団に襲撃されれば、ひとたまりもない。一年の糧が根こそぎ奪われてしまう。軍が絡んでるとあって、保安署(警察署)は手を出せず、被害をお上に訴える方法もない。つまり泣き寝入りするしかないのだ。
また、朝鮮半島情勢が緊張を増す中、訓練はより厳しくなっているが、配給が増えるわけではない。空腹に耐えかねた兵士たちによる略奪が激化するという悪循環に陥っている。
情報筋によると、規律を引き締めるべき軍官(将校)たちまでもが、「事(戦争)がいつ起きるかわからないから、食べられるうちに腹いっぱい食べておけ」と言って、兵士たちの略奪を煽っている。