しかし、苦難の行軍の時代、北朝鮮では大量の餓死者が発生し、深刻な経済難と社会不安をもたらした。そのせいか、住民の間で覚せい剤が蔓延するようになった。経済難を背景に、生き残るために売春に身を投じる女性も増えたが、彼女たちの間でも覚せい剤がまん延しているという。
(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち)パクは、覚せい剤の密売、密輸に目をつぶり、その代価として巨額のワイロを受け取っていたのだ。あざといパクは今年1月、市内の恵江洞(ヘガンドン)に住む40代のリ某という男性が、中国商人との覚せい剤の取引で大儲けしていることを知った。そこで早速、家を訪ね「密輸と密売が重い罪だということを知らないのか、死ぬまで監獄にいるつもりか」などと脅迫した。
ところが、リ某には脅迫も懐柔も通じなかった。そこでパクは次の作戦に出た。