情報筋はまた、「数年前、当局が開いた『オモニ(母親)大会』で、子供を10人産んだ女性が労力英雄の称号を授与されたが、誰もうらやましがらなかった」という。
北朝鮮で労力英雄称号には病院での優先診療、幹部専用列車の利用、引退後も続く月給と配給制度など、様々な特典が付与されているが、それも配給制度が維持されていればこそのものだ。「配給制度が崩壊し、誰もが商売を頑張らねば生きていけない世の中にあっては、英雄称号など10個持っていても役に立たない」(情報筋)。
そんな現実があるにも関わらず、当局は女性への圧力を強める一方だ。それを受けて女性の「生きにくさ」がいっそう増し、むしろ出産を忌避する傾向が強まっているという。