中国当局は、鴨緑江対岸の北朝鮮の恵山(ヘサン)市や国境の動向を探るために、数十台の監視カメラを設置している。映像には韓牧師の殺害に関与した人物の姿が写っている可能性もあるが、地元の長白県公安局は中朝関係に配慮してか、捜査状況を公開していない。
そもそも中国政府は、殺害された韓牧師が支援してきた脱北者の多くを北朝鮮に強制送還してきた。その数は10万人をゆうに超え、脱北者に足枷をはめるなどして本国に送り返してきた。送還された人々全員が本国で拷問、収監、処刑といった過酷な迫害を受けてきた。
(参考記事:北朝鮮、拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も)韓牧師が中国政府にとっても好ましからざる人物だったことは間違いない。