両江道(リャンガンド)の情報筋が米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、金正恩氏は昨年、中国・浙江省の北朝鮮レストランで起きた従業員集団脱北事件の報復として、韓国に住む脱北者を拉致してでも連れてこいとの指示を下した。
さらに今年3月には、市と郡の保衛局に「脱北を完全ブロックせよ」「脱北ブローカーを一網打尽にせよ」との指示を下した。それを受けて、国家保衛省は中国に「拉致組」を中国に派遣。要員は脱北者を装って脱北ブローカーに接近し、連れ去る。拉致が困難な場合は、殺害も辞さない。
中朝国境地域の事情に精通したデイリーNK情報筋によると、「拉致組」は吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉、遼寧省の瀋陽、丹東などに派遣されている。彼らは中国の公安(警察官)をカネで抱き込み、脱北者の動きや居場所を探り、緻密な作戦計画を立てて拉致を実行しているという。