冷蔵庫やテレビがもらえるのは、それなりの地位のある人だろう。力のない北朝鮮の庶民は、命も安く買い叩かれるのだ。
北朝鮮の最高指導者である金正恩氏は、交通事故をめぐり、人命が現物で補償されている実情を把握しているのだろうか。
金正恩氏は、夜中にこっそり専用ベンツに乗って平壌市内をドライブしているという噂がある。実際、北朝鮮メディアは金正恩氏が自らハンドルを握って建設現場を訪れたエピソードを紹介していることから、クルマ好きで運転も好きなようだ。
(参考記事:「金正恩氏は深夜の走り屋」説はどうやら本当だった!)スピード狂で走り屋と噂されている金正恩氏が、もし人身事故を起こしてもまず間違いなくもみ消されるだろう。独裁者としてやりたい放題できる金正恩氏にとって、自動車運転における安全問題や、事故が起きた場合の補償など些細なことなのかもしれない。
(参考記事:北朝鮮「魔の山道」でバス転落が多発、数十人が死亡)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。