「ICBM4人組」は今しばらく我が世の春を謳歌するだろう。だからといって、彼らがいつまでも安泰とは言えない。一寸先が闇の北朝鮮政治では、いつ何時、どのような理由で粛清・処刑されるかわからない。2015年4月に玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)前人民武力部長(国防相)が正恩氏の怒りを買い、高射銃によって文字通り「ミンチ」にされたのが記憶に新しい。
この先のことはともかく、朝鮮労働党の重鎮たちを押しのけて前面に出てきた「ICBM4人組」は、金正恩体制の核・ミサイル戦略を支える核心グループとして台頭してきたものと見て間違いなかろう。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。