北朝鮮の核・ミサイル開発を止めさせるには、金正恩党委員長に「退場」してもらうほかない。問題はその方法だが、仮に経済制裁でそれをやろうとすれば、やはり中国の全面的な協力が必要になる。中国が本気で制裁を行えば、中朝国境に数百人から数千人、あるいはもっと多くの難民が押し寄せ、北朝鮮は国家の体をなさなくなっていくかもしれない。
そうなった場合にはもちろん、米国も日本も韓国もコストを分担しなければならない。筋道から言えば韓国の出番だが、手に余る部分は日米の助力が必要だ。あるいは、難民の一部を自国で引き受けることも考えねばならないだろう。
ほかにも、すべきことは膨大にある。北朝鮮のような軍事国家に権力の空白が生じるのは、それはそれで危険だ。混乱が起きたら、米韓軍は素早く北朝鮮全土を管理下に置かねばならない。望むなら、自衛隊がいっしょに行くのも良いだろう。ただし、金正恩政権の残党から核攻撃や生物・化学兵器による攻撃を受けるリスクは残っているだろうが。