ICBM成功でも金正恩氏の「ポンコツ軍隊」はすごく弱い

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昨年5月には、徴兵対象者である8人の高校生の親たちが、兵役が免除されるよう軍の担当者にワイロを渡し、「重病のため兵役に不適」との報告書を書かせた。ところが、それを知った同級生の親の訴えでバレてしまった。

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兵役逃れが横行する背景には、軍紀の乱れや軍隊生活の劣悪さがある。国から軍隊に与えられる食糧は、中抜き、横流しされ、末端の兵士の元に届くころには激しく目減りしている。餓死を逃れるため、兵士たちは畑を耕したり山菜を採りながら食いつないでいる。中には、盗賊となって民間人を襲う者すらいる。

当局は、兵士の市場への出入りを禁止するなどの対策を取っているが、焼け石に水だろう。問題の根本は北朝鮮のシステムそのものにあるからだ。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記