証言者のひとり、北朝鮮・両江道(リャンガンド)に住んでいた脱北者のJさん(46歳)は2013年の冬に脱北した。ところが、韓国にたどり着いた彼女を待ち構えていたのは病気だった。病院を訪れた彼女に胃がんの宣告が下されたのだ。
北朝鮮にいたころから腹痛を抱えていたが、病院に行っても鍼を何本か打たれるだけで、これと言った治療をしてくれなかったという。
「これで一巻の終わりだ」と感じたJさんだが、ほぼ1年に及ぶ治療を経てがんの全摘出に成功し、完治した。北朝鮮では「死の病」であっても、韓国では必ずしもそうではないということを、身をもって感じたという。