「畑のあったところに木を植えよ」との指示を受けた人々は、植えるフリだけしたり、すぐに引っこ抜いて畑を作り直したり、畑を隠すように周りにだけ植えたり、放置して枯らせたりなど、様々な形のサボタージュで抵抗している。
個人耕作地で作られた作物は市場にも供給されており、価格の相場に影響を与えるほどになっている。供給が途絶えれば、食糧難にも招きかねない。また、現金収入が減れば、消費が落ち込み、地域経済に深刻なダメージを与えるだろう。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。