「ミサイル3連発」でも北にすり寄る韓国政府…国内から「生ぬるい」と批判

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

過去10年の断絶により、南北の接触自体が減ったことで、北朝鮮国内で何が起きているのか正確につかめなくなっている。筆者のもとにも問い合わせが相次いでいる。まずは南北関係の「復元」を焦るのは韓国の方かもしれない。

冒頭の朝鮮中央通信の報道では、金正恩が「今後も国防科学の研究部門では、我々が立てておいた時間表と工程にしたがい、多段階に、連発的に自衛的国防工業の威力を堂々と見せつけなければならない」と、強い国防開発への意思を明かしたとしている。

今後の争点は、2000年6月15日に金大中大統領と金正日総書記のあいだに交わされた「6.15宣言」記念日をどう扱うかだろう。文政権は「安定」を演出したいだろうが、そんな気持ちを若い金正恩が「忖度」するとはとても思えない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記