実際のところ、前回はメディアによる「煽り過ぎ」の側面が大きかった。といっても、メディアの側も意図的にやったわけではない。直前に米トランプ政権がシリアに対するミサイル攻撃に踏み切っていたこともあり、世論の中で「北朝鮮もヤバいかも知れない」との連想が働き、それを否定する客観材料を持たないメディアが「米国が北朝鮮攻撃に踏み切るのも、絶対にあり得ないとは言えない」的な報道を繰り返す中で、「危機」が独り歩きしてしまったのだ。
ちなみに、北朝鮮の地雷が韓国軍兵士を吹き飛ばした事件が発端となって発生した2015年8月の軍事危機の方が、状況的にはずっとヤバかった。
デイリーNKジャパン編集部のスタッフたちは、文字通り固唾をのんで推移を見守っていたほどである。