「最高指導者を尊称抜きで呼ぶのは、今に始まったことではない。金正日が生きているころから、友人同士の間ではよくあることだった。ただ、金正恩時代になってから、以前より露骨になっている。国家による食べ物の配給が止まって久しく、生活必需品の国定価格も有名無実化してしまった。国家はすでに、人民の面倒を見られなくなっている。だから、指導者に対する尊称も自然と使われなくなった」
つまりは、以前は社会主義のタテマエの下で禁じられていた商取引と財産の私有が合法化され、自由市場が活気を帯びるに従い、最高指導者の権威が失墜してしまったということだ。
(参考記事:金正恩センスの制服「ダサ過ぎ、人間の価値下げる」と北朝鮮の高校生 )一方、平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、「金正恩に尊称を付けない現象は幹部の間でまず始まったはずだ。地方の党や司法機関の幹部などだ」と話している。