文氏は今後、このように関係各国とコミュニケーションしながら、平壌を訪問して金正恩党委員長と会談するための環境を整えていくものと思われる。
それはそれで結構なのだが、どのような道を進もうとも、文氏もまた、朴氏と同様に北朝鮮の人権問題という深刻な課題にどこかでぶち当たるはずだ。ぶち当たらないならば、それは間違った道でもあるとも言える。
政治犯収容所に象徴される北朝鮮の人権蹂躙は、「この世の地獄」とも言われるほど凄惨なものだ。そこから目をそむけたままでは、朝鮮半島の安保問題を本質的に解決することはできず、つまりは韓国大統領としての使命を果たせないことになる。
(参考記事: 謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」)いま、金正恩氏がもっとも嫌うのは、人権問題で責任追及を受けることだ。