一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、戦闘動員態勢を受けて党や地方政府の幹部、兵士の他地方への出張や移動が禁じられた。それでも非常招集と灯火管制を除けば、普段と全く変わらない雰囲気だ。
それもそのはず、当局は毎年のように「今年の我が国を取り巻く情勢は例年とは違う」と言っているため、人々はまともに取り合おうとしないのだ。戦闘動員態勢の発令は、国家保衛省(秘密警察)のトップだった金元弘(キム・ウォノン)氏が解任され、局長クラスの幹部6人が処刑されたことで、動揺した民心を収拾するためのものだという「陰謀論」も一部でささやかれている。
(関連記事:金正恩氏、秘密警察トップを解任…公開処刑など担当「恐怖政治」支える)庶民の中には「戦争を怖がっているのは私腹を肥やしてきた幹部だけ」「どうせ戦争が起きたところで失うものは何もない、本当に起きたらいいのに」などと、ごくごく親しい人に本音を漏らす人もいるという。