日本などでは「秘密の経費」を使い放題と思われがちな外交官だが、外貨獲得に苦しむ北朝鮮ではそうもいかないようだ。テ氏は昨年12月27日にあった合同記者会見の席で「駐在国によって異なるが、大使は月給1000~1100ドル(約11万3000円~12万4000円)、公使は700~800ドル(約8万~9万円)程度」と明かしている。
物価の高い先進国で、外交官の体面を保ちながら家族を養うのは難しい額だ。そのため、「大使館で集団生活を行い光熱費を浮かせることでしのいでいる」という。それでも足りないため、外交特権を悪用したきわどい「副業」で生計を補う。これには後述する本国への「外貨上納ノルマ」も関連している。
テ氏は北朝鮮外交官の悲哀について「国際的な行事があっても胸に金日成、金正日バッジをつけた我々には、誰も声をかけてこない」と明かしている。