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海の“公安”ともいうべき警備情報課は、このような海保の準軍隊化の総仕上げとして誕生したと言える。

弱小官庁である海保が、海洋国家・日本の国境警備を自衛隊や警察の影響力を排除して行うには、耳目となる独自の情報組織が必要であった。この海保の念願であった情報組織を一から作り上げた男が、冒頭の事件で“最高機密”の漏えいを疑われた人物、Nだ。

「N機関」の誕生

Nは警備情報課発足に先立ち、息のかかった部下を内閣情報調査室や公安調査庁に出向させ、公安情報収集のノウハウを吸収するとともに、韓国海洋警察大学に留学生を送り込み韓国情報機関とのパイプ構築にも努めた。