大衆の目の前で無慈悲に行われる「公開処刑」。90年代中頃から300万人の大量餓死を生み出した「苦難の行軍」。経済的に貧困な女性を狙った「人身売買」。権力を笠に着て女性を慰み者にする指導層。権力に抵抗する数百人もの人々を戦車で轢殺した残酷な軍隊。そして日本人拉致問題など、北朝鮮の人権侵害は、筆舌に尽くしがたいものばかりだ。
(参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」)こうした人権侵害のほとんどは金日成・正日氏によって重ねられたもの、つまり正恩氏にとっては「負の遺産」である。もし、正恩氏が米国や国際社会の制裁から逃れようとするなら、核・ミサイルの前に、人権問題をまず清算すべきだった。