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そうすれば、安全保障問題で米国と対話するハードルも幾分か下がっただろう。しかし、彼にはそれができなかった。祖父と父の権威を否定することは自身の権力基盤を否定することになるからだ。

それどころか、最高指導者の座を継いでからわずか3年余りの間に、父親の実に7倍ものペースで側近を処刑した。人権問題を改善するどころか、開き直ったかのように残虐性を増している。米国は、こうした正恩氏の姿勢に「当分の間は対話不可能」と判断した。そして、正恩氏は、人権問題で圧迫に乗り出した米国の姿勢にもはや「絶望」を感じた。だからこそ核・ミサイルで暴走していると筆者は見ている。