北朝鮮の「インチキ医療」に友好国も憤慨

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北朝鮮の医師たちは、かつてはモラルの高さで知られていた。それが、いくら外貨稼ぎのためとはいえ、インチキ治療によって評価が下がるのは、当の医師たち望んでいないだろう。いや、もしかしたら医療機器も医薬品が慢性的に不足し、手術をするのに麻酔薬すら使えないほどの苛烈な状況の中で、変質してしまっているのかもしれない。

(参考記事:【体験談】仮病の腹痛を麻酔なしで切開手術…北朝鮮の医療施設

一方、タンザニア政府は、国連安保理で採択された対北朝鮮制裁決議2270について公式の立場を明らかにしていないが、以前からアンゴラ、ウガンダと共に、北朝鮮と軍事協力や武器取引を行っていると指摘されている。こうした疑惑を晴らすためにも、北朝鮮系病院の取り締まりに力を入れているという見方もある。

タンザニアの英字紙「シティズン」は、今年3月の制裁決議2270の採択に際し、インチキ医療に加え、閉鎖性、人権侵害などを指摘し「北朝鮮の行動は、タンザニアを含むすべての国が非難すべきだ」と論じている。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記