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軍事境界線の西部から東部までにわたり、5人~20人単位で近接偵察と何らかの作業を繰り返していたのだ。

DMZでは近年、朝鮮人民軍が徒歩で南側に入り、亡命するなどの出来事が相次いでいる。それにまったく気付かない韓国軍の警備の欠陥が指摘されていた一方、北朝鮮側の士気の緩みにも深刻なものがうかがえる。

ともかく、北朝鮮側は韓国軍にワナを仕掛けたというより、自軍兵士の脱走防止のために地雷を仕掛けていた可能性があるということだ。ところが、それに韓国軍兵士が引っかかってしまったことで、事態は急速に危機の様相を深めてしまう。

韓国軍は、北朝鮮の地雷が爆発し、兵士らの身体が吹き飛ばされる瞬間の動画を公開している。仲間が傷つけられる場面を見た将兵の中には、強い復讐心を抱く者も少なくないだろう。さらに、韓国軍は報復措置として、軍事境界線付近での拡声器による心理戦「対北朝鮮拡声器放送」を11年ぶりに再開。北朝鮮がこれに猛反発したことにより、報復の連鎖が戦争につながる可能性さえ生じた。

結局、北朝鮮の金正恩氏が韓国との「チキンレース」に敗れる形で事態は収束するが、この出来事はその後の情勢展開の伏線になった観もある。

(参考記事:韓国との「チキンレース」に敗れた金正恩氏が国内「殺りく」に走る可能性

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先に述べた通り、韓国軍内で金正恩氏に対する「斬首作戦」の構想が持ち上がったのはこのときだった。