北朝鮮の体制による人権侵害がいかに凄惨なものであるかは、「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)」の最終報告書(以下、国連報告書)に収められた数々の証言からもうかがい知ることができる。
(参考記事:「まるで公開処刑が遠足のようだった」…北朝鮮「人権侵害」の実態)(参考記事:赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた…北朝鮮「人権侵害」の実態)
それでも、この報告書が人権侵害のすべての側面を網羅しているわけではない。北朝鮮では、人権侵害を通り越した虐殺事件や、ムリな工期設定による大規模な労働災害なども起きたとされており、そうした出来事については、複数の脱北者の証言を総合しなければ全容を描くことができない。
(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」)(参考記事: 橋崩落で500人死亡の「地獄絵図」…人民を死に追いやる「鶴の一声」)
こうした事例は、いまだ国際社会で広く知られるには至っておらず、情報が共有された時の衝撃は相当に大きなものになるだろう。