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とはいえ、彼女たちの労働条件は極めて劣悪で、国連からも「人権侵害にあたる」と指摘されている。

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摘発された北朝鮮政府関係者は、帰国を諦めて、丹東の北朝鮮領事館や知人を通じて税関当局から現金を取り戻そうと奔走しているという。税関に出頭して正当で合法な持ち出しと認められれば返還されると規定されているが、今回押収された現金が返還されるかは不透明だ。

これまで、各国に駐在する北朝鮮の外交官は、合法非合法問わず様々なビジネスを行い、外貨規制を避けてその利益をハンドキャリーで自国に持ち運んできた。また、中国工商銀行の丹東支店は、昨年12月から北朝鮮人名義の口座への入金、送金を受け付けなくなっているため、現金を人の手で運ぶ必要がある。こうした点から、今回の摘発は外交官たちの外貨稼ぎにダメージを与えることになるだろう。

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ただし、今回の摘発が、中国の「我が国は本気で制裁に取り組んでいる」というアリバイ作り、もしくは一過性の措置である可能性も捨てきれない。また、中国はこうした措置を通じて、北朝鮮の出方を慎重に見極めていると思われるが、一歩間違えれば、金正恩氏の思わぬ暴走を招きかねないことも警戒すべきだ。

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高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記