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「中国軍が攻めてくる」や「有事に金正恩元帥は飛んで逃げる」などのデマの類いもあれば、「元帥様(金正恩氏)は外でトイレもままならないため、専用車に代用品を乗せている」や「元帥様は、深夜に平壌市内をこっそりドライブしている」など、最高指導者のトップシークレットに関する話題も携帯電話や口コミを通じて広がる。

(参考記事:知られざる金正恩氏のトイレ事情
(参考記事:金正恩氏のもう一つの顔は「深夜の走り屋」

ある意味、北朝鮮式情報革命が起きているとも言えるが、一部地域でのモノ不足、買い占めなどの話が平壌周辺に広がりつつあるのも携帯電話普及の影響と言える。

携帯電話での会話を通じて国内に不安心理が広まる中で、当局は、全国の各機関、企業所に大規模な「制裁糾弾群衆大会」を連日開催せよという指示を出した。思想教育やプロパガンダで不安心理を抑える狙いだが、集会に動員された人々の間では、当局や幹部への不平不満や、不安を煽る噂が飛び交い、それがまた携帯電話を通じて全国に広がるという北朝鮮当局にとっては皮肉な状況となっている。

しかし、いくら携帯電話が普及しているとはいえ、世界的な水準から見ればまだまだ普及率は低く、会話も100パーセント自由に出来るわけでもない。