その人物とは、ポチョンボ電子楽団のスター歌手だった玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏。
彼女には、金正恩氏の「元カノ」であるとの説もある。情報がすべて事実なら、正日・正恩氏の親子が愛人を取り合ったのか、と驚いてしまうが、ある内部情報筋によると、正恩氏の方は根拠のない噂話だとのことだ。そして、労働党幹部や事情を知る住民たちは、テレビで玄松月氏が出てくると、「将軍様(金正日氏)の恋人」「愛妾」と噂するのだという。
(参考記事:金正日氏の最後の愛人はポチョンボ電子楽団の元スター?)元歌姫だった玄松月氏は、中国・北京での海外初公演をドタキャンして中国共産党に恥をかかせ、一躍有名になった北朝鮮のガールズグループ「モランボン楽団」の団長でもある。
(参考記事:モランボン楽団は金正恩氏の「ワナ」だった!?)「英雄色を好む」という言葉があるが、金正日氏が女性関係で将軍級だったとしても、北朝鮮の国家運営において英雄だったとは、お世辞にも言えない。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。