脱北者が送還されたら、北朝鮮でどんな目に遭わされるのか。国連報告書は次のように述べている。
送還された人たちの運命は国家安全保衛部によって、決定される。大韓民国国民やキリスト教徒と接触したと見受けられた人たちは、地方の国家安全保衛部本部へさらなる尋問のため、送られる。そこから、彼らは裁判もなしに、政治犯収容所(「管理所」)へ直接送られるか、普通の刑務所(「教化所」)に投獄されるかのどちらかである。特に重大であると考えられる場合には、たとえば、大韓民国の情報当局者と接触した場合は、その犠牲者は処刑に直面する。
逆に、ただ食糧や仕事を探しに中国へ行ったと見受けられる人たちは、人民保安省に引き渡される。そこで、通常、尋問が再び始められる。もし、人民保安省がその人は普通の国境横断者であると確認すれば、拘留所(「尋問拘留所」)に留置となる。そこで、拘留され続け、時には数ヶ月になり、その人の故郷の人民保安部員が引き取りにくるまで、拘留したままにする。普通は裁判もなく、数ヶ月から1年、労働訓練所(「労働鍛練隊」)にその犠牲者を留め置く。
拘留され尋問を受けている間、脱北者らは様々な拷問を受ける。殴られるだけでなく、女性らは強姦に等しい屈辱的な行為を受け、強制堕胎や乳児殺しも行われる。
(参考文献:国連報告書「脱北者に対する拷問・強姦・乳児殺しの実態」)