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そんなカネがどこから出てくるのかと言えば、国家から密命を帯びて蓄えた「金正恩秘密資金」を、まんまと持ち逃げしているのだ。

金一族や特権層が使うぜいたく品を購入したり、兵器開発にも充てられたりする秘密資金作りは、「忠誠の外貨稼ぎ運動」の名の下に1970年代に始まった。その手段のほとんどは、金塊の密輸や麻薬取引、犯罪資金のロンダリング(洗浄)請負など、非合法なものばかりだ。

最近ではキューバ産高級葉巻を密輸しようとした外交官が摘発されたほか、変わったところでは「サイの角」の密輸やバイアグラの無許可販売などというのもある。

もちろん、故郷では秀才として将来を嘱望されて育ち、晴れて外交官となったエリートたちが、嬉々としてこんな犯罪に手を染めているわけではない。羞恥心でプライドがズタズタになりながらも、国で暮らす家族のため、または「飢えに苦しむ国民を救うためにも自分が逃げ出すわけにはいかない」という気概から、国からの理不尽な指示に耐えている面々も少なくないのだ。