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南新義州は、1970年代に国境地帯を訪れた金日成氏、金正日氏の「外国人が訪れる国境にふさわしい都市を作ろう」との提案で建設された。当初の計画では、5000戸のマンション、高級ホテル、空港に加えて、中心市街地と結ぶ地下鉄まで建設する予定だった。

しかし、「対外宣伝用都市にするには保安上の心配がある」との理由で計画は縮小され、単なるニュータウンに転落した。その南新義州が再度脚光を浴びたきっかけとなったのが、2002年に発表された「新義州特別行政区」プロジェクト。新義州を北朝鮮の法律が適用しない香港のような特別地域にして、海外からの投資を呼びこもうとする野心的なプロジェクトだった。

この一環として、中心市街地の10万人を移住させるため南新義州に大々的な団地を建設する計画も立ち上がったが、行政長官に任命されていた中国系オランダ人の楊斌が、脱税容疑で中国当局に逮捕されプロジェクトは頓挫する。

新鴨緑江大橋は、南新義州にとっては「三度目の正直」といえる開発事業だったが、張成沢氏処刑に端を発した中朝関係の悪化で先行きは見えない。

猫の目のように変わる北朝鮮当局の政策は、南新義州に限らず北朝鮮不動産市場のリスク要因でしかない。