「市場を管理する保安員が工業製品を押収したことに商売人が反発したが、最初は言い争いだった。しかし、殴り合いに発展し、周辺の商売人は凶器まで用いながら保安員に襲いかかった」 これは、かつてなら考えられなかったことだ。
北朝鮮では権力は絶対であり、抗うことは死を意味した。
たとえば90年代の末には、当局の横暴に抗議する製鉄所の労働者たちを鎮圧するため、中央権力が軍を投入。座り込んでいた人々を戦車で次々に引き殺すという凄惨な出来事が起きている。
(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」)しかしその後、絶望的な食糧難の中で当局をあてにせず、自ら活路を切り開いてきた人々は、権力に対して容易に屈しないようになっているのだ。
もっとも、その過程でも悲劇は起きている。
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