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とは言え当時の報道を見ると、男に対する公安庁の内部調査結果は、副作用では済まされないレベルだった。

「活動費300万円を私的に流用」「公安情報を提供する見返りに朝鮮総連から月十数万円を受け取る」「在日朝鮮人女性の愛人2人を抱え込む」……。真相は藪の中だが、実は、これを裏付けるかのような別の事件が存在する。

元日本経済新聞記者の杉嶋岑氏は1986年の訪朝後、内閣情報調査室と公安庁から情報収集の協力要請を受け、「国家のため」とその後も訪朝し続けた。

そして、1999年に北朝鮮当局により逮捕され、2年以上も拘留された。当時、公安庁で杉嶋氏のハンドラーだったのが、件の男だ。

変わらぬ「見殺し」体質

杉嶋氏は勾留中、北朝鮮当局から、自分が公安庁に提供した情報や資料、写真を見せつけられ、驚愕したという。帰国後、杉嶋氏は衆議院安全保障委員会で、訪朝の経緯や勾留中の出来事を証言。次のような言葉で話を結んでいる。

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